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内科

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長寿の秘けつ

2003-01-16
長寿の秘けつは何でしょう?そんなこと聞かれても、まだ若輩者の私には(45才にはなりますが)語ることは出来ません。ただ医者として、長寿の方を診ていると私なりに感じることはあります。そもそも長寿とは、ただ歳を重ねていくだけが長寿なのか?アルフォン・デーケン教授はその著書の中で、『老化も死も、生命体の必然的な自然現象である。自分が必ず死ぬ存在だという認識に立てば、だれでも「生きている」時間の尊さに気づき、少しでも意義のある人生を送りたいと考えるではないだろうか。人にはそれぞれ個性があり、その人なりの死生観がある。私は自分自身の老いも死も、ユーモア感覚で受けとめて、最期まで笑顔と感謝を忘れずに生きたいと願っている。』と記しています。意義のある人生が送れれば、何才で死のうが長寿なのではないでしょうか。それには、ちょっとした努力が必要です。それが人生の「か・き・く・け・こ」であり、さらに「だ・わ」を付け加えてみて下さい。それは、よく(か)考える、あるいは感じること。ちょっとした事に幸せを感じる事。そして、いろんな事に(き)興味を持つ事。(く)工夫をする事。(け)健康である事。それには、バランスの良い食事と、ストレスをためない事。そして、重要なのは、異性に(こ)恋をする事です。さらに付け加えるならば、(だ)妥協する事。所詮男と女はちがうという単純な事実を受け止め、性によるちがいを妥協し、理解する事。そして、(わ)笑う事。たくさん笑ってきれいな笑いじわ(皺)を作ってください。それが老いて楽する「老い楽」への道なのではないでしょうか。

虚血性心疾患とその予防

2003-01-06
「お母さん!お父さんが胸を苦しがって、冷や汗を流しているよ。」「大変、救急車をすぐ呼んで。」 運ばれていった救急病院でお父さんは急性心筋梗塞と診断されました。
幸い緊急で冠動脈拡張術を受け、1ヶ月程度の入院で回復することが出来ました。そう言えば、お父さんは「最近階段を昇ると胸が痛くなる。」と言っていました。 
これが、典型的な狭心症から心筋梗塞を発症するパターンです。どうしてこうなってしまったのでしょう? そこで、お父さんの生活を振り返ってみましょう。お父さんの年齢は54才、以前から会社の健康診断で、高血圧、高脂血症、糖尿病を指摘されていましたが、全く症状が無いため病院へは行きませんでした。タバコを吸い、会社も忙しく、ストレスも貯まる一方でした。性格は几帳面な方でした。
現在、脳血管障害も含めた循環器疾患と呼ばれる病気は、医療費の三分の一を占めています。その理由には、非常に高度の治療方法が開発され、また普及したことも原因ですが、欧米化した食生活も、高脂血症や糖尿病を増やし、動脈硬化症がより早く進行するようになったことが重要な危険因子となっています。お父さんはこの危険因子を複数持っていたにもかかわらず、治療していなかったため、心筋梗塞を発症したものと思われます。
では、このような病気にならないためにはどうしたらいいでしょうか? 答えは簡単です。今まで書いてきた危険因子を取り除いておけばいいわけす。でも、誰しも美味しいものも食べたいし、タバコも吸いたいし、運動するのは面倒だし、そう簡単に取り除くことは出来ないかもしれません。結構です。美味しいものも食べて下さい、タバコも吸っても良いでしょう。でも、ゆっくりよく味わいながら食べ、タバコは食後の一服ぐらいにし、食べたら運動して脂肪を燃やしましょう!それがすこやかに老いるコツなのです。
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